東京オリンピック2021で新競技として日本の伝統武道『空手』が採用されました。
空手競技で金メダル最優力とされているのが『男子形』の喜友名諒選手。
この記事ではその強さの秘密に迫るべく喜友名諒選手の流派、師匠の佐久本嗣男先生についてお伝えしていきます。
ぜひ最後までご覧になってください!
喜友名諒の流派『劉衛流』とは?門外不出の経緯を詳しく解説
喜友名諒選手の流派は沖縄空手の劉衛流です。
ここからは劉衛流について詳しくお伝えしていきます!
劉衛流は沖縄空手の流派
劉衛流は中国の拳法家劉龍公(ルールーコウ)を始祖とする沖縄空手の流派のひとつです。
沖縄空手の中でも那覇手と呼ばれる系統に属しています。
劉衛流の形を紹介
劉衛流で使われる代表的な形
- アーナン
- アーナンダイ
- オーハン
- オーハンダイ
- パイクー
- ヘイク-
- サンセールー
- パーチュー
- ニセーシー
- セーサン
劉衛流の形は攻防一体の型を持ち、連続技の多さが特徴とされています。
こちらの動画から喜友名諒選手のアーナン、アーナンダイ、オーハンダイをご視聴いただけます。
喜友名諒選手の演武で有名なアーナンダイは近年創作された形です。
新しく創作された形なので全日本空手道連盟登録の形リストには未登録で、国内の大会ではルールによっては使用することができませんでした。
オリンピックは国際大会なので喜友名諒選手のアーナンダイを見ることができるかもしれませんね!
喜友名諒選手の力強いアーナンダイに期待しましょう!
劉衛流の名前の由来
始祖・劉龍公から【劉】、二代目・衛克達(仲井間宗里の別名)から【衛】の文字を取って「劉衛流」と名付けられました。
劉衛流は、劉龍公の中国拳法と中国兵法の正統を継承する古法の総合武道です。
字形からしてもう強そうですw
劉衛流の歴史と門外不出の経緯
劉衛流の起源は1800年代中期の中国です。
中国では清王朝が栄えていた時代ですね。
始祖・劉龍公の下で技を伝授された2代目・仲井間宗里によって沖縄に伝来したのが1845年頃とされています。
当時の日本は鎖国しており、清国での武者修行を口外できる時代ではありませんでした。
また中国武術は秘密主義が強く、軽々しく弟子を取ったり流派を名乗ることは禁じられる傾向にありました。
そのため、以来百年あまり仲井間家に伝わる一子相伝の武術として継承されることになります。
まるで某人気漫画の暗殺拳、北斗〇拳のような話ですね…!
2代目・仲井間宗里は家訓として次のような言葉を遺しています。
武力は心の支え、身の守り
みだりに発動すべきものでもなく
軽々しく他人に伝授してよいものでもない
門外不出、一子相伝せよ
なんか、ものすごくカッコイイですね…。
この教えが固く守られ、門外不出の秘伝として長らく世に出ることはありませんでした。
しかし、4代目・仲井間憲孝は
門外不出という閉鎖性が時代の勢いに馴染まない
と考え、佐久本嗣男の弟子入りを許可。
以後、劉衛流はその圧倒的な強さから広く名を知られるようになります。
現在では門戸が開かれ、多くの門下生が指導を受けています。
出典:https://profile.ameba.jp/ameba/ryochin044
この決断がなければ、現在の劉衛流の発展はなかったことでしょう。
喜友名諒の師匠・佐久本嗣男はギネス世界記録保持者
出典:https://www.sakumoto-karate.academy/
ここからは劉衛流の第一人者であり、喜友名諒選手の師でもある佐久本嗣男先生についてご紹介します。
佐久本嗣男のプロフィール
生年月日 | 1947年12月13日 |
年齢 | 73歳(2021年5月現在) |
出身 | 沖縄県恩納村 |
所属 | 劉衛流龍鳳会 |
段位 | 劉衛流・範士9段 |
師匠 | 仲井間憲孝 |
ギネス記録 | 世界大会・形競技7連覇 |
現在公開されている佐久本嗣男先生のプロフィールです。
御年73歳とご高齢ですが、なんといまだ現役で指導をしていらっしゃいます!
https://twitter.com/chie_fukushima/status/1205506481698639874
これまでに9名もの世界チャンピオンを指導してきたというから驚きです!
直接指導だけでなく、【オンラインでのマンツーマン指導】【空手セミナーの開催】など、精力的に後進の育成に尽力していらっしゃいます。
お身体だけでなく、発想もお若くて感心させられますね!
佐久本空手アカデミーはこちら
佐久本嗣男の大会実績
佐久本嗣男先生は競技シーンでも素晴らしい活躍をされていらっしゃいます。
以下に主な大会での成績をご紹介します。
国際大会
第7回 世界空手道選手権(1984年・オランダ) | 優勝 |
第8回 世界空手道選手権(1986年・オーストラリア) | 優勝 |
第9回 世界空手道選手権(1988年・エジプト) | 優勝 |
第2回 ワールドゲームズ(1985年・イギリス) | 優勝 |
第3回 ワールドゲームズ(1989年・ハンガリー) | 優勝 |
第2回 ワールドカップ(1986年・ハンガリー) | 優勝 |
第3回 ワールドカップ(1989年・ハンガリー) | 優勝 |
アジア・国内大会
第5回 アジア太平洋空手道選手権(1984年・日本) | 優勝 |
第6回 アジア太平洋空手道選手権(1986年・マレーシア) | 優勝 |
第7回 アジア太平洋空手道選手権(1988年・インドネシア) | 優勝 |
第40回 国民体育大会(1985年・鳥取県) | 優勝 |
全国教職員空手道大会(1982年・東京都) | 優勝 |
第15回 全日本実業団空手道選手権大会(1996年・日本武道館) | 優勝 |
なんですか、この圧倒的な強さは!まさに敵なしです!
空手界のレジェンドと呼ばれるのも納得ですね!
佐久本嗣男のギネス世界記録
驚くことに佐久本嗣男先生はギネス世界記録も保持していらっしゃいます!
世界3連覇7冠のワールドレコード
これはたいへんな記録ですよね。
簡単に更新されることはなさそうです。
ところで佐久本嗣男先生の愛弟子でもある喜友名諒選手もギネス記録を保持しています。
空手の喜友名がギネス世界記録 プレミアLで金メダル 過去最多の19個獲得で https://t.co/SRozdx3ZH9 #喜友名諒 #空手 #ギネスブック #okinawa #沖縄
— 沖縄タイムス (@theokinawatimes) November 2, 2020
喜友名諒選手の記録は空手1プレミアリーグ優勝回数19回というものです。
喜友名諒選手は現在30歳。
年齢を考えても当分は現役での活躍が期待できます。
記録はまだまだ更新されることでしょう!
佐久本先生も愛弟子の活躍にとてもうれしそうですね!
まとめ
ここまで喜友名諒選手の流派『劉衛流』と師匠の佐久本嗣男先生についてお伝えしてきました。
いかがでしたでしょうか?
喜友名諒選手の師匠はやはり只者ではありませんでしたね。
偉大な師の教えが今の喜友名諒選手の強さを支えていると言えるのではないでしょうか!
東京オリンピックでは劉衛流の凄さを存分に披露してくれることでしょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました!