油脂は人の健康維持に欠かせないものです。
以前、脳の60%は脂肪からできていることをお伝えしました。油脂は、摂らないとかえって病気になると言われています。
ただ、最近、油脂を摂るときは、その種類とバランスが大事なのだと知りました。今日は、正しく油脂を摂るための基礎的な知識をお伝えします。
お気軽にお付き合いくださいね。
油脂には2種類ある!「脂」と「油」の違いとは?
油脂には2種類あることをご存知ですか?「脂」と「油」。どちらも、「あぶら」ですよね。
私達が食事として摂る油脂は、主に脂肪酸と言われています。脂肪酸は、その科学的な構成から、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類されます。
飽和脂肪酸は、その組成が安定しており、常温では個体のものが多く、「脂」と呼ばれています。主に、ラードなどの動物性の脂がこれに当たります。
一方、不飽和脂肪酸は、その組成がやや不安定で、常温では液体のものが多く、「油」と呼ばれています。漢字に液体を示す「氵」が付くのもうなずけますね。
では、この2種類の油脂の摂る際の注意点を見ていきましょう。
「脂」を摂るときに気をつけること
脂は、常温で固体のもの、主には動物性のものであることをお伝えしました。
動物性の脂を摂るときに気をつけたいのは、人間と動物の体温の違いです。
例えば、牛の脂であるラードに関して言えば、牛の体温は常温で42度もあると言われています。牛の体内ではサラサラと流れていた脂でも、人の体内では固まってしまうこともあります。
その結果、人の体内で固まってしまった脂は、動脈硬化や血流不全の原因となることがあるのです。摂りすぎには注意が必要です。
「油」を摂るときに気をつけること
油は、常温では液体で、その化学構造から、オメガ3系、オメガ6系、オメガ9系、の3種類の脂肪酸に分類されます。
オメガ3系の代表例は、えごま油、亜麻仁油、青魚、ナッツ類に含まれる油。
オメガ6系の代表例は、サラダ油、大豆油、コーン油などの植物油。
オメガ9系の代表例は、オリーブオイル。
これらのうち、オメガ9系は人が体内で作り出すことができるのですが、オメガ3系、オメガ6系、は人が体内で作り出すことができないので食べ物から摂取しなければなりません。
摂取の黄金比率は、オメガ3系:オメガ6系の=1:2~4と言われています。
しかし、外食産業や家庭用油にはオメガ6系が多く使われていることから、現代の日本人のほとんどは圧倒的にオメガ6系の過剰摂取となっていることが指摘されています。
普段何気なく生活していても、オメガ6系、オメガ9系の脂肪酸は十分に摂取できていると考えて良いかもしれません。
油に気を遣う場合は、オメガ3系の油を積極的に摂ることを意識すると良さそうですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。