2019年4月23日、大迫傑選手のツイッター投稿が波紋を呼んでいます。
こういうツイートをする事は、僕自身にも余計なプレッシャーをかけるし、リスクがある事を理解してほしい。
だけど声を上げていかないと、ずっと変わらない。— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) April 23, 2019
大迫傑選手が投げかけた問題提起とは何なのでしょうか。
大迫傑の反論ツイートが波紋!
陸連の不明瞭な説明に反論ツイート
2019年4月23日、大迫傑選手のツイッター投稿が波紋を呼んでいます。
大迫選手は、日本選手権の参加資格をめぐって、問題提起をしています。
23日に自身のツイッターで次のようにツイートしました。
日本選手権、[本連盟強化委員が特に推薦する本連盟登録競技者] という枠で出場しようと試みましたが、叶いませんでした…..。
陸連強化委員からの[大迫くんが日本選手権でいい走りをするとそれに負けた選手のランキングが下がり、不平不満が出るから]という理由でした。
すごい理由だな。笑笑
考えられる建前は、ランキング制が適応されたので公正を期したい。だと思いますが、そう考えると矛盾が多々あります。
1)なぜこの様な項目を入れたのか →おそらく強化委員所属チームのお気に入りの選手を出場させたいから。
2)北京世界陸上の年の日本選手権10000m , 特定の選手をペースメークする為に外国人選手の出場を認めたが、それは公正を期していると言えるのか。
以前から強化委員所属チームの選手が陸連合宿に優先参加出来たり、陸連計画の遠征に参加出来たりと色々ありましたが、そろそろ陸連を私物化するのはやめた方がいいと思う。
もしランキング制が採用されて日本選手権参加基準に矛盾が生じてしまうのであれば、変更すれば良いだけ。
変更しなかったという事はその必要が無かったと陸連が判断したと思ったので、今回出場申請した次第でした。
どういう選手が推薦出場に値するのかちゃんと明記して欲しいですね。
こういうツイートをする事は、僕自身にも余計なプレッシャーをかけるし、リスクがある事を理解してほしい。
だけど声を上げていかないと、ずっと変わらない。
これらのツイートに対して、日本陸連の河野匡ディレクターは
「誤解をされていると思う。担当者とは公平性を保つために参加資格のある選手から出場させないといけないという話をしたが、彼にどう伝わったかはわからない」
と話しているといいます。
大迫傑選手が出場を試みた参加資格の枠は、極めて特例的なものだそう。極めて特例的なものだから適用されるケースを明確にできない、という説明のようです。
大迫選手が訴えた推薦基準の明確化については特例という前提を踏まえ、「どういうケースが出てくるか想定できない」と述べ、難しいという考えを示しました。
(引用:NHK NEWS WEBより)
これって、説明になっていない、と感じるのは筆者だけでしょうか。
「彼にどう伝わったかは分からない」と話すくらいなら、もっと膝を突き合わせて、丁寧に説明をするべきではないでしょうか。
少なくとも、一個人が組織を相手に声を上げるのは、とても勇気がいることだと筆者は思いますし、声をあげた大迫選手は勇気ある行動をしたと感心しています。
「煙に巻く」姿勢?メールのタイミングで食い違いも
大迫傑選手は、次のようにもツイートしています。
こう言う後出しジャンケンで、もやっと煙に巻くのは辞めてもらいたい。
僕らはそのメールを断られた際ではなく、僕がツイートして問題になった時に担当者に送られてきました。 pic.twitter.com/GhqNg1RB0W— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) April 23, 2019
大迫選手からは強化委員会の推薦による出場の要望を受け、検討した結果、推薦での出場は認められないことを22日、大迫選手のコーチにメールで伝え、今回の投稿を受けて23日再度、コーチにメールで基準などを連絡したということです。
(引用:NHK NEWS WEBより)
この報道に対して、大迫傑選手は、次のようにもツイートしました。
こう言う後出しジャンケンで、もやっと煙に巻くのは辞めてもらいたい。 僕らはそのメールを断られた際ではなく、僕がツイートして問題になった時に担当者に送られてきました。
メールのタイミングに関する報道にも、事実と異なる部分があるのでしょうか。
真相は不明ですが、何か違和感を感じます。
「不満なのではない」メディアの報じ方にも一石を投じる
断られた事が不満なのではなく、却下理由が理解できないという事と規定や選考の不透明さを感じたからです。
— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) April 23, 2019
大迫傑選手は、共同通信が「大迫傑、1万m断られ不満」と報じると即座に反応しました。
断られたのが不満なのではなく、却下理由が理解できないという事と規定や選考の不透明さを感じたからです。
大迫傑選手は、メディアの報じ方(言葉尻り)についてもよく見ていて、誤解を招くような記載には迅速に反論・訂正し、対応していると感じます。
「特別枠など狙わなければいい」一般の意見に対しても説明
ネットでは、そもそも特別枠など狙うのがおかしいという冷ややかな意見もあります。
参加のための標準記録を達成して、ふつうに参加資格を得ればいいだけでは?
ということです。
ただ、このような一般の意見に対しても次のようにコメントしています。
僕がこの問題を提起している事で、それなら日本選手権前に10000を走れば良い、と思ってる人も多いでしょう
しかし短期間で2レース走る事は東京マラソンからトラックに移行する中でリスクが大きく、負担になると判断しました。特に今回は9月にMGCもあり、そのリスクが特に大きいと感じた為申請しました— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) April 23, 2019
自身の体の負担を考えてのことだったようです。
大迫傑からの問題提起!陸連は説明責任を果たせるか。
大迫傑選手のツイートからは、
規定や選考の不透明さを是正してほしい
という一貫したメッセージを感じます。
少なくとも、断られたのが不満でツイートしているわけではないということ。
断られたのが不満なのではなく、却下理由が理解できないという事と規定や選考の不透明さを感じたからです。
とても勇気ある行動だと思います。
規定や選考の基準を明確にして欲しい
という問題は、陸上に限らず全てのスポーツに通じる問題提起のように感じられます。
元陸上選手の為末大さんも次のように話しています。
元陸上選手の為末大さんは、
「今回のことは陸上競技連盟として恣意的(しいてき)なことではなく選考基準の文言はあると思うが、選手に説明するプロセスがはっきり決まっていないのではないか」
と話しました。そして、大迫選手本人が声を上げたことについては
「選手が声を上げることは私はやるべきだと思う。選手が疑問を持っていることに陸連は答えないといけない。来年の東京オリンピックを前に対立関係ではなく健全な関係を築くためのタイミングとしてはよかったのではないか」
と話しました。さらに、
「これからすべてのスポーツが同じ状況に入っていくのですべての競技団体で説明していく姿勢が必要だ」
と提言しました。
(引用:NHK NEWS WEBより)
今回の大迫傑選手と陸連の間で生じた問題は、すべてのスポーツに通じる問題提起としても捉えることが出来ます。
ぜひ選手が納得できるような説明を期待したいと思います。