皆さん、腕時計はつけていますか?
腕時計は時刻を把握するためのものですよね。
でも、お金持ちの方は高級時計を身に着けていますよね。腕時計はステータスを示すことができるものとして認識されています。
どうして時計がステータスなんだろう?なんて思いませんんか?
女性目線でしょうか。でも私は時計を熱心に選んだり自慢したりする男性を見て、本当に不思議に思ったものです。
そんな素朴な疑問から、今日は腕時計の歴史からステータスの成り立ちについて考察してみました。
気軽にお付き合いくださいね。
腕時計の歴史・前進は懐中時計
19世紀以降のヨーロッパにおいて、一般的に携帯用に使われていたのは懐中時計でした。
懐中時計は多くの場合、文字盤はアナログ式、鎖や組紐などで竜頭のフック部を衣服につないで落下を防止し、時計本体は衣服のポケットに収納して携帯するものが基本形でした。
しかし、この懐中時計は、時刻を読もうとするたびに、わざわざポケットから出す、金属製の蓋を開ける、という手間のかかる動作をしなればならないという不都合がありました。
そんななか、ヨーロッパでは戦争が起こります。腕時計が登場したのには軍事的な必要性がありました。
腕時計は時計本体が固定され、手首に巻いた状態で目視、携帯できます。機敏性や迅速性を要求される戦場の場で、懐中時計は非常に不向きでした。そのため、次第に腕時計の需要が高まっていったのです。
腕時計の登場。ステータスを示すようになった背景。
すでに述べた歴史的背景から、様々な腕時計が軍用品として製作され国王に納められました。また、腕時計は、王族や貴族の女性のための美術品として納められることもあったそうです。
しかし、当初は腕時計が商品化されても一般に普及することは無かったようです。
普及のきっかけとなったのは、飛行機王・飛行機の父と呼ばれる発明家アルベルトと時計職人のカルティエです。
アルベルトは航空界では先駆的な発明家であり大富豪でした。アルベルトは、親友の時計職人であるカルティエに、操縦に適した腕時計の製作を依頼しました。
そして、アルベルトの依頼を受けてカルティエが開発したサントス腕時計(Santos wristwatch)のデザインが、社交界で大変評判となったのです。
このカルティエの腕時計をきっかけに、紳士用腕時計が普及することとなりました。
そして、その頃には懐中時計は中流階級のものというイメージが広まっていたために、より上位のステータスを目指す人々にとって腕時計がステータスとなっていったと考えられます。
そして、その後の時計産業による時計の巧みなイメージ戦略が、今のステータスのイメージに繋がっていったのではないかと考えられます。
まとめ
時計の歴史を見ると興味深いですね。
とはいえ、今ではすっかり腕時計は大衆化してしまいました。最近では、携帯・スマートフォンで簡単に時間は確認できるので、若者の腕時計離れが進んでいるそうです。
携帯・スマートフォンは、カバンやポケットから取り出して時間の確認する必要があり、手間といえば手間ですね。まるで現代版の懐中時計に逆戻りしたかのようです。
軍事的歴史を背景に、機敏に、迅速に、時刻を確認する必要で普及した腕時計ですが、もしかしたら平和な時期にはその機能の必要性は薄れているのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。