2019年3月1日に映画「九月の恋と出会うまで」が公開されました。タイムリープ系は理解するのが苦手なので、ネットで原作のあらすじをざっと把握してから映画館に突入。
とても綺麗な恋愛小説を眺めているようでしたよ。
今回は、九月の恋と出会うまで映画版あらすじと感想・評価・ロケ地をまとめました。※途中のストーリーは書いていますが最後はネタバレしないように伏せてあります。
九月の恋と出会うまで映画版あらすじと感想
九月の恋と出会うまで映画版あらすじ
1.未来からの声(シラノ)と出会う
不思議なマンションに引っ越してきた志織。新しい部屋で食事やお風呂を済ませリラックスして音楽を流していたら、時計の針が夜9時を指したとき、どこからともなく声が。
「奇跡だ!」
その声に困惑する志織は、声の出処を探します。そして、まだ取り付けていないエアコン用の排気口の穴から声が聞こえるのだと気づきます。
声の主はシラノと名乗り、自分は1年後の未来からの声だと説明します。未来からの声という説明が信じられない志織に、シラノは明日以降ニュースで起こる出来事を告げ、確かめてみるようにと伝えます。
シラノの言う通り3日間のニュースがことごとく的中し、志織はシラノの声を信じることに。するとシラノは志織に、同じマンションの住人・平野を尾行して欲しい、と願い出るのでした。
2.未来からの声(シラノ)の願いで平野を尾行する
カメラが趣味の志織は、シラノの願いで平野を尾行し写真を撮っていきます。そして、毎晩、夜9時になるとシラノに尾行の様子を報告。
平野はいつも猫背で髪に寝癖がついている、ぱっとしない印象。しかし、平野の色んな表情をカメラに収めていくうちに、志織の平野に対する印象は変わっていきます。
あるとき、カフェで尾行していたときのこと。平野がカフェで商談を終えクライアントを見送ったあと、一人で大きなパフェを注文。
美味しそうに頬張る平野を見て、志織は「甘いもの好きなんだな」と思いながら、その様子をカメラに収めます。
その夜、志織からの報告をうけたシラノは「男でも甘い物が食べたくなるんですよ」と笑うのでした。
そして、「いつか街一番のレストランでご馳走させてください」と話すのでした。
3.平野の不審な行動を目撃
尾行6日目になり志織は平野の不審な行動を目撃します。平野は人通りのないトンネルに入っていきコンクリート片を振り上げながら何かを確認している様子。
志織は怪訝に感じ、同じマンションの住人に「平野さんってどんな方なのですか?」と尋ねます。
すると住人は、以前平野が部屋で包丁を振り回している様子を窓から目撃したことがあると告げ「あまり関わらない方がいいよ」と忠告します。
その夜、9時になり、志織はシラノに「もう尾行は嫌だ」と伝えます。しかし、「明日が終わったら全てを話します」と懇願され、明日が最後だからとしぶしぶ承知するのでした。
4.志織の部屋が空き巣に荒らされる
尾行最終日、志織は38.8℃の高熱で体調不良。普段なら絶対家で寝て休むところですが、最後の尾行に出かけます。しかし、尾行中に平野を見失ってしまうのでした。
平野を見失い、交差点の真ん中で立ち尽くす志織。そのとき時計の針が午後3時を示し、志織は一瞬変な違和感を覚えます。
その後、志織が帰宅してみると、部屋の中が荒らされている異常な光景が。警察がかけつけ、空き巣が入ったようだ、と。
凶器を持った空き巣が周辺を荒らしているようで、空き巣が入った時に部屋にいたら襲われて下手をしたら死んでいたかもしれない、ということを知るのでした。
その夜、志織はシラノからの声を待ちます。しかし、夜9時になっても一向にシラノの気配はありません。
志織が窓から外を眺めると、ちょうど同じ階の平野が窓から洗濯物を取り込んでいました。窓の横には以前無かったはずのエアコンが取り付けられていました。
志織は驚いて「なんでエアコン付けちゃったんですか!?」と思わず口にします。平野は驚いて、エアコンの機械音を確認し、騒音の苦情かと思って志織の部屋に訪ねてきます。
6.志織が高熱で倒れ平野が看病する
志織の部屋に訪ねてきた平野。しかし、志織は、尾行最終日の高熱と疲労・空き巣に入られたストレスで朦朧としていました。
ピンポンで玄関をあけた志織は、そのまま倒れてしまいます。
眼の前で倒れる志織を、平野は思わず抱きとめて、唖然とします。慌てて志織をベッドに寝かせ、看病するのでした。
しばらくして目を覚ました志織。それにに気づいた平野は言います。
「あなたは不用心すぎる」
エアコンの件はまた後日にでも、と平野は言い、志織の部屋から去っていきました。志織の部屋のテーブルには、作りたての雑炊とりんご、風邪薬が置いてあるのでした。
7.志織がシラノの声について平野に打ち明ける
翌日、志織は平野に未来からの声を聞いたと相談します。この手の話を信じてもらえるのか、不安に感じていた志織平ですが、平野は、「信じますよ、僕は」と言います。
平野は自分が小説家を目指して作品を書いていること、トンネルや部屋で凶器を振り回していたのは小説に書くために確認していたのだということが明らかになります。
平野は、小説のネタになりそうだからと協力を申し出ました。そして、空き巣と遭遇したら死んでいたかもしれないと、未来の声の介入とタイムパラドックスについて考察します。
8.タイムパラドックスの矛盾点
未来の声の介入で、本来なら死んでいたかもしれない志織が生きている。
本来のタイムゾーンでは志織は死んでいなければならない。その世界では、志織は死んでいて、だからこそ、未来の声の主(シラノ)は志織を救う行動に出た。
では改変された新しいタイムゾーンではどうか。
新しいタイムゾーンでは志織は生きている。その世界では、志織は生きていて、未来の声の主(シラノ)が志織を救う必要がない。
改変されたタイムゾーンであっても、1年後の未来の声(シラノ)は1年前の志織を救う声を届けなければならない。そうでないと、改変されたタイムゾーンで志織が助からない。
シラノを探し出し声を届けるように依頼しなければいけない、と平野は話しました。
9.未来からの声(シラノ)は誰? 志織はシラノの声に思いを馳せます。あの声は誰?
そういえば、志織はシラノが言った言葉を思い出しました。
「いつか街一番のレストランでご馳走させてください」
そのセリフは聞き覚えがある。以前大学時代に志織と付き合っていた彼が志織に言った言葉でした。その彼は森秋真一。今では連絡先すら分からない。
協力を申し出た平野と一緒に森秋の消息を探しに行きます。
九月の恋と出会うまで映画版予告動画
九月の恋と出会うまで映画版の感想
タイムリープ系は苦手なので絶対物語に置いていかれると思い、予めネットで流れていた原作あらすじに目を通してから映画館へ突入しました。
とにかく描写がとても綺麗でした。2人が住んでいたマンションもデザイナーズで雰囲気があるし、川口春奈さんが身につける衣装や部屋小物も可愛らしい。
平野が目の前で倒れる志織を抱きかかえて唖然とするシーン、「あなたは不用心すぎる」と少しぶっきらぼうに言うシーン、ほかにも上には書いていませんが女性がときめくシーンがいっぱいあります。
個人的に好きなのは、平野が志織と森秋の消息を探しに行くため2人が待ち合わせたとき。
出てきた平野は、普段と違ってちょっとファッションにも気を遣っているし、いつもの寝癖が直っているし、志織が心の中で「あ、今日は寝癖がない」と気づく場面は女性目線そのものでした。
平野もどこか志織との会話を楽しんでいる様子で両思いな感じは伝わってきましたね。
物語が進んで、森秋が2人と同じマンションに引っ越してきたとき平野の複雑そうな表情や、平野は志織と真一が並んで歩いているのを目撃して切なそうにする姿も素敵でした。
志織「シラノが平野さんじゃダメですか?」
平野「(森秋)真一さんに助けてもらってください」(だったかな?たしか)
と別れる場面になり「何でそうなる~!?」と思いました。じれったい感じがしましたね。笑
九月の恋と出会うまで映画版のネットの評価
この映画はたぶんSFミステリーというよりピュアな恋愛小説の色が濃いです。原作にあるような歴史改編の部分があまり丁寧には伝えきれていない荒削りな感じ。
てかこれやとタイムパラドックスにおける矛盾点が解決されてなくない!?笑
もはやごまんと溢れかえったこの設定だともうちょっとやれたはず・・・と思ってしまうのもそれはそれで酷なのかもしれません
高橋一生さん、川口春奈さんの演技に対する評価は抜群なのですが、タイムリープやタイムパラドックスに対する描き方が雑な感じがして評価を低くしてしまっている印象です。
でも全体的に美しい描写で個人的にはオススメできる作品だと思います。あと、高橋一生さんや川口春奈さんのファンの方は必見ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。